オーナー向け経営情報
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相続・承継の新たな手法 ~家族信託~
2015-12-21
相続に関する「信託」について、一般的には信託銀行などで行うものをイメージする方が多いと思いますが、信託法の改正により、今は信託銀行を利用しなくても家族で信託が行えるようになりました。
信託銀行で行う信託を「商事信託」、家族で行う信託を「民事信託」と分けます。●家族信託(民事信託)とは…
財産を持つ人が特定の目的(自分の老後の生活、介護、資産の管理・有効活用、資産承継など)に従って、その保有する不動産・預貯金等の財産を「信頼できる家族」に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。
まずは財産を持つ親が元気なうちに信託契約を締結することが必要です。コストがかからないので、資産家のためのものだけではなく、誰にでも利用できます。*基本的な登場人物
委託者:財産を預ける人
受託者:財産を預かり管理する人
受益者:財産の収益を受ける人
信託法において信託とは、委託者が信託行為(例えば信託契約、遺言)によってその信頼できる人受託者に対して財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分などをする制度で、節税対策ではなく、財産の管理手法です。現在の信託法は2007年に施行されています。★事例:親が長男に信託財産の管理・処分を任せる ⇒ 認知症への備え
★上記図の解説:
例えば、認知症になると預金の引き出し依頼や贈与、契約の締結など多くの法律行為が出来なくなり、財産の管理運用面で支障が出ます。
下図のように、親に代わり長男に財産の管理・処分を任せることで、認知症発症により判断力が低下しても財産の管理・処分が面倒な手続きなく可能となります。
◎賃貸住宅を信託財産として長男に管理を任せた場合です。
財産を所有している親が委託者となり、信頼できる長男が受託者として両者間で信託契約を締結します。受託者である長男が契約に定めたアパートやマンションなどの信託財産の管理を担います。
信託財産から得られる家賃収入は、受益者である親本人のために管理し、必要に応じて受益者に給付します。
受託者の暴走を予防するために、司法書士等の信託監督人を置き、受託者に定期的な報告をさせることも可能です。◎登記簿にはどのように記載されるか…?
財産管理を担う受託者(上記図では長男)が形式的な不動産所有者として登記簿に記載されます。信託契約を締結すると所有権は信託受益権という財産に、所有者は受益者という立場に変わります。
税務上の所有者は受益者で、信託財産は委託者や受託者の財産とは分別管理されます。さらに、資産の承継先を自由に指定できることや、民法では無効とされていた2次相続以降の財産の承継先を本人の意思で指定できるなど、信託による多様な可能性があります。
詳しくはお近くの司法書士、家族信託普及協会会員の㈱財産ドックまでご相談ください。
財産管理や資産承継の最も新しい手法の一つです。ケースバイケースで検討してみてはいかがでしょうか?
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ページ作成日 2015-12-21
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