オーナー向け経営情報
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賃貸経営の法人化~資産管理会社を設立した時のメリットと注意点~
2016-04-14
賃貸経営の法人化が相続対策として注目されています。
◆法人化には以下の3つがありますが、最近では個人の資産を減らす効果があるので相続対策を見越した③のケースが増えてきています。①不動産管理型 個人所有の不動産を法人が管理します。個人所有は変えずに法人は管理報酬を得ます。 ②一括借上型 個人所有の物件を法人が一括借り上げし、入居者に転貸します。法人は空き室でも借り上げます。 ③不動産所有型 個人所有の建物を会社に売り、会社が貸主になります。売買の手続きが必要になるので、個人には譲渡所得税が発生し、法人には不動産取得税や名義変更による登記費用が発生します。 ◆法人化のメリット
法人化による効果は所得分散をすることにあります。オーナー(被相続人)と親族(相続人)を役員にして報酬を支払うことにすると所得が分散されます。個人の所得税では累進課税のため、収入が多いと課税税率が高くなります。現在では課税される所得金額が1800万円~4000万円では税率40%、4000万円以上では税率45%となっています。法人税との税率の差を考慮すると法人を設立した方が節税となる場合があるのです。また、給与所得控除という非課税枠もあるので、より節税になります。
相続時を考慮すると、オーナー(被相続人)の財産を増やさず、かつ親族(相続人)の財産を増やすことができ、相続人は納税資金を蓄えることが可能となります。
また、被相続人が認知症になってしまった場合、個人所有の場合は資産を動かすことが難しいですが、法人所有の財産であればその心配はありません。◆注意すべき点
法人設立の際に登記費用など諸費用がかかります。
また、法人を設立すると社会保険の加入義務も出てきます。社員に給与の支払いをすると法人と社員が社会保険料を分割して負担します。社会保険料は支払う給与額によって変動しますが、支払う給与のうち約29%が法人と社員が支払う社会保険料です。例えば資産管理会社を設立して配偶者と子を役員とし、各30万円の役員報酬の支払いをすると、月額約26.1万円、年間約313.2万円の社会保険料の負担が必要になります。法人設立して所得分散し税率を下げたとしてもその効果が薄れてしまうのです。
最近では、マイナンバー制度の導入など、政府がこの社会保険未加入企業への指導強化をしている傾向がみられます。
尚、給与の支払いをしなければ社会保険料の支払い義務はないため、給与の支払いをせずに法人税を支払い、法人の所得として利益を蓄積することもできます。今後法人税は低下傾向にあるので、そうすると手残りが多くなります。賃貸経営の法人化による納税・相続対策はケースバイケースで専門的な知識が必要です。検討される場合は必ず専門家へのご相談をお勧めします。
参考:「全国賃貸住宅新聞」 ㈱全国賃貸住宅新聞社
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ページ作成日 2016-04-14
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