オーナー向け経営情報
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賃貸オーナーの確定申告
2018-01-22
そろそろ確定申告の時期が近づいてきました。
2018年の確定申告期間は2月16日(金)~3月15日(木)です。
賃貸オーナーの確定申告のポイントをまとめてみました。
●青色申告と白色申告
個人事業の確定申告には青色申告と白色申告があります。白色申告は、税務署への申請書の必要はなく、賃料収入やかかった経費について簡単な帳簿づけでOKです。
青色申告は白色申告よりも詳細な帳簿付けをする必要がありますが、白色申告にはない特典がいくつかあります。(下記)
◆青色申告特別控除(10万円又は65万円)
白色申告
青色申告
青色申告(事業的規模)
帳簿付け
簡易簿記
簡易簿記
複式簿記
所得控除の額
なし
10万円
65万円
◆3年間にわたって赤字を繰り越すことができる
◆青色事業専従者給与として親族に給与を支払い、経費にできる 等
白色申告で帳簿を付けていても所得控除はありませんが、青色申告で帳簿付けすると10万円の所得控除があります。また、青色申告で事業的規模のオーナーの場合、複式簿記の帳簿をつけることにより、所得控除額が65万円になります。事業的規模とは「5棟10室」という基準があり、5棟又は10室以上を貸していると事業的規模とみなされます。
◆申請書の提出期限
青色申告をするには事前に「所得税の青色申告証人申請書」を最寄りの税務署に提出する必要があります。
申請書の提出期限は新規開業の場合と、もともと事業運営していた場合とで異なるため注意が必要です。
<2017年度分の確定申告を青色申告できるのは>
開業日
申請書の提出期限
新規開業
2017年1月1日~1月15日まで
2017年3月15日まで
2017年1月16日以降
開業日から2ヵ月以内
白色→青色切替
2017年より前
2017年の3月15日まで
●物件設備の修理やリフォームがあった場合
賃貸経営をしていると、給湯機の修理やクロスの張替えなど様々な支出があります。
こうした建物などの修繕費用は、確定申告ではどのように処理するのでしょうか?
税務上、以下の二つに分けられます。
◆「修繕費」:
その資産の通常の維持管理のための費用や原状回復のための費用が挙げられます。修繕費とみなされるとその年の必要経費として一度に経費計上できます。
具体的には次のような費用が認められています。
① 一つの修理などの金額が少額(20万円未満)、又は修理・改良の周期がおおむね3年以内のもの。
② ①に該当せず、資本的支出か修繕費かの判定が明らかでない場合には、60万円未満のもの、又は前期末取得価額の10%以下のもの。
<修繕費となる通常の維持管理のための費用>
・家屋または壁の塗り替え
・畳の表替え、障子・クロスの張替え
・床や瓦の毀損部分の取り換え 等
◆「資本的支出」:
その支出により資産の使用可能期間が延長されたり、資産価値を増加させるものが該当します。例えば、避難階段の取り付けや、外壁を従来の吹き付けからタイル貼りへ変更する工事などが挙げられます。いわゆる建物のグレードアップは資本的支出になります。資本的支出とみなされると固定資産計上し、耐用年数に応じて毎年減価償却費を計上することになります。
オーナーにとってはできるだけ修繕費として一度に全額計上したいところですが、両者の判定には難しいところもあり、その支出の金額や周期、目的などにより個別に判断していくことが必要になります。
例えば10年に一度建物全体の塗装を定期的にしていて、1回に1000万円必要となる場合でも、建物維持するための支出で、建築時のグレードを上げない支出であれば、全額経費として認められるケースもあります。
いずれにしても建物をきちんとメンテナンスする為の資金の確保が大切です。
計画的な資金捻出のためのサポート・アドバイス等は是非弊社にご相談下さい。
参考:「全国賃貸住宅新聞・オーナー専科」 ㈱全国賃貸住宅新聞社
テーマ名
ページ作成日 2018-01-22