オーナー向け経営情報
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平成29年度税制改正大綱
2017-01-31
公表されている平成29年度税制改正大綱について、取り上げます。
税制改正大綱は毎年12月頃に発表され、その後3月頃に国会で承認され決定となります。
●不動産オーナーに関係する改正は…
①タワーマンション節税への課税強化
タワーマンションとは、高さが60㎡を超える住居用建築物のことで、一般的には20階以上のものを指します。現在は床面積が同じであれば、マンションの固定資産税は階層に関係なく同じ税額です。しかし、市場価格や評価額では高層階の方が低層階より高くなっていたので、高層階は価値が高いが相続税評価が低いということで、相続税の節税目的で富裕層が高層階を購入する動きが出ていました。
このタワーマンションの固定資産税額について、高層階にいくほど高くする補正率が導入されます。最近の取引価格の傾向を踏まえ、階層が1階増すごとに約0.25を加える数値となっています。固定資産税額はこれまでと比べて1階であればマイナス5%、20階であれば変わらず、40階では5%の増加となります。
適用されるのは高さが60mを超える建築物のうち、上層階に住戸が所在しているもので、かつ平成30年度から新たに課税されることとなるもの(平成29年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものを除く。)となっています。
②広大地の相続税評価の見直し
広大地とは500㎡以上(3大都市圏以外は1,000㎡以上)ある土地で、開発行為を行う場合は道路を新設する等の負担が必要と認められるものをいいます。
現行では広大地に該当した場合、500㎡以上の土地に対し、相続税評価の大幅な減額(40%以上減額等)の補正率を認めています。道路新設が必要になることを踏まえての優遇です。
しかし、例えば細長い形の土地であれば新たに道路を作る必要がないケースもあり、減額評価を実情に合った内容に見直すことが今回の改正に盛り込まれました。
また、広大地に該当するかどうかの要件が曖昧だったことから訴訟等のトラブルになっているケースもあるため、「適用要件を明確化する」とあります。
今改正は平成30年1月1日以後の相続等により取得した土地について適用で、平成29年中は従前の補正率が適用されます。
具体的な計算方法等明記されていないので、今後の税制改正の動きには注意が必要です。
③配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し
今改正では配偶者控除及び配偶者特別控除の廃止そのものは見送られて、現行制度の見直しという内容になりました。
不動産オーナーに関連する事として、これまで、世帯主が高所得でも配偶者控除の適用は出来ましたが、今後は世帯主に所得制限が設けられ、給与所得や不動産所得などの各種所得を合計した合計所得金額が900万円を超えると段階的に控除額が縮小し、1000万円を超える場合には、配偶者控除及び配偶者特別控除の適用は出来なくなる見込みです。この改正は平成30年分以後の所得税から適用予定です。
サラリーマン大家さんの場合、給与所得と不動産所得の合計額によって、配偶者控除が受けられなくなるケースが出てきます。税金が増えてしまうのを防ぐためには、賃貸経営の法人化を検討したり、配偶者の方を青色申告事業専従者に設定するなど、ケースによって様々ですが、考えていく必要が出てきます。
参考:「全国賃貸住宅新聞」 ㈱全国賃貸住宅新聞社
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